肩こりや頭痛などを訴えて病院を受診すると、レントゲンやMRI撮影をおこなうことがあります。その結果、「スマホ首(ストレートネック)ですね」と言われる方が増加傾向にあるようです。
スマホを使い過ぎることで発症リスクが高くなるスマホ首ですが、スマホ首になると見た目がよくないだけでなく、さまざまな身体的・精神的不調を招きかねないことをご存じだったでしょうか?
こちらのページでは、スマホ首を放置することによって生じるリスクの可能性や、自宅で簡単にできるスマホ首のチェック法などについて詳しく解説しています。
スマホ首を放置するリスクその1・肩こり
スマホ首を放置した場合に起こり得るリスクの1つが肩こりです。スマホ首になると、頭の位置が前にスライドし、顔を突き出したような姿勢になりがちです。
頭は体重の10分の1程度ある重たいパーツであるため、少し前方へスライドしただけで、肩にかかる負担が飛躍的に増大します。
肩への負担が増大すると、重たい頭を支えるために肩まわりの筋肉が硬くなり、硬くなった筋肉に血管が圧迫されることで、血液の循環が悪くなってしまいます。
血液の循環が悪くなった場所では、発痛物質が生成されやすくなり、それが肩のチクチクとした痛みを生じさせるのです。
通常であれば、血液の流れに乗って発痛物質も体外へと排出されるのですが、血行不良の状態が続くと、発痛物質が長く肩へと留まり、徐々に慢性的な肩こりへ移行する結果となります。
スマホ首を放置するリスクその2・頭痛
スマホ首を放置するリスクとしては、頭痛が出やすくなることもあげられます。スマホ首にともなって肩や首まわりの筋肉が硬くなると、血管が圧迫されることで血行不良を生じます。
肩や首まわりの血行不良が生じると、脳へと送られる血液量が減少します。すると、脳は「血液を送るように」指令を出すのですが、それにともなって急激に血圧が上昇すると、ズキズキした痛みをともなう片頭痛が起こるのです。
また、首や肩まわりの筋肉が硬くなると、首の後方から後頭部にかけて、重苦しい重圧感があらわれることもあります。そのような頭痛のことを緊張型頭痛と呼んでいます。
片頭痛や緊張型頭痛は一次性頭痛に分類されるのですが、病院で検査をしても原因が分からない頭痛の多くが緊張型頭痛、もしくは片頭痛によるものだと考えられています。
スマホ首を放置するリスクその3・スマホ近視や眼疲労
スマホ首を放置した場合、スマホ近視や眼疲労のリスクも高くなります。スマホ首になるほど長時間スマホを見ていると、目のピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が緊張し、ピントが近い位置で固定してしまいます。その結果、スマホ近視のリスクが高くなるのです。
また、目は首よりも上にあるため、首まわりの緊張が生じると目に送られる血液量が減少し、目の回復力が低下して眼疲労を生じやすくなります。眼疲労の状態が長く続くと、次第に睡眠をとっても目の疲れが抜けにくくなり、眼精疲労に移行する可能性もあります。
目の疲れが眼精疲労にまで至った場合、目の症状だけでなく、イライラや集中力の低下といった精神的な症状も起こりやすくなるため注意が必要です。
スマホ首を放置するリスクその4・自律神経系の不調
スマホ首を放置した場合、自律神経系の不調をきたすリスクもあります。首には星状神経節と呼ばれる「神経のツボ」があるのですが、スマホ首にともなって首まわりの筋肉が硬くなると、星状神経節が圧迫されます。
星状神経節は自律神経のはたらきと深く関わっているため、スマホ首になると自律神経系の不調をきたす可能性が高くなるのです。
そのような不調のことを専門的には頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)と呼んでいるのですが、分かりやすく「首こり病」と呼ばれることもあります。
実際に、自律神経失調症やうつ病の治療をする際に、星状神経節にブロック注射をおこなうことがあります。局所麻酔で交感神経の働きを抑え、自律神経系の症状が出にくくさせるわけです。
スマホ首のために自律神経系のバランスが乱れると、身体的な不調が起こりやすくなることはもちろんのこと、精神的な不調を引き起こすリスクも高くなります。原因不明の不調は、もしかしたらスマホ首によってもたらされているのかもしれません。
スマホ首を放置するリスクその5・睡眠障害や脳疲労
スマホ首を放置した場合、睡眠障害を発症するリスクも高くなります。睡眠障害には入眠障害、中途覚醒、熟眠障害、早期覚醒といったさまざまなタイプがあります。
スマホ首によって自律神経系のバランスが乱れると、睡眠の質が低下するため、睡眠障害を発症しやすくなると考えられるのです。
また、スマホを長時間みていると、脳に送られる情報が過多となり、脳疲労状態に陥ることもあります。脳疲労状態が続くと、思考能力や記憶力が低下したり、感情のコントロールがしにくくなったりします。
「なんとなく眠い」「訳もなくイライラする」「なんとなく疲れが抜けない」といった症状がある場合、放置するのは厳禁です。睡眠障害や脳疲労が悪化した場合、日常生活に支障をきたすこともあるため注意しましょう。
スマホ首を放置するリスクその6・姿勢や見た目の悪化
スマホ首を放置した場合、身体的・精神的不調が起こりやすくなるだけでなく、見た目が悪化する恐れもあります。スマホ首になると顔を前に突き出したような姿勢になるため、見た目が不格好になります。
また、常に下を向く動作をとることによって二重あごになったり、首のシワが目立つようになったりする可能性もあります。
スマホ首を放置するリスクその7・頚椎変性
スマホ首を放置した場合、頚椎の変成を招く可能性が高くなります。頚椎の変成は一般的に、加齢にともなって首の骨のカーブ(頚椎アーチ)が減少することを意味します。
若い方のスマホ首の場合、骨自体には変形が起こっておらず、首の筋緊張によって骨が引っ張られ、骨がまっすぐに「見えている」ケースも少なくありません。
ただ、そのような姿勢を長く続けていると、次第に骨自体が変形し始めるのです。いったん骨自体が変形してしまったら、元戻すことは困難なので注意が必要なのです。
頚椎の変成が進行した場合、頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症、頚部脊柱管狭窄症といった疾患を発症するリスクも高くなります。将来の不調を未然に防ぐためにも、スマホ首はできるだけ早めに改善するのがおすすめです。
自宅で簡単にできるスマホ首のチェック法
自分がスマホ首になっているかどうか、自宅で簡単にチェックできる方法があります。
- 壁に背中を向けて立つ
- かかととお尻、両肩を壁につける
このとき、頭が壁からかなり離れるようであれば、スマホ首になっている可能性が高いと言えるでしょう。その場合、なるべく早めに対処することが重要です。
スマホ首のことなら広島メディカル整体院にご相談ください
私たちの生活に欠かせないアイテムとなったスマホですが、現代人に見られる原因不明の不調が、スマホ首によってもたらされているケースは多いと考えられます。
スマホ首になると姿勢が悪くなるなど見た目がよくないだけでなく、放置すると将来の頚椎ヘルニアや変形性頚椎症など、日常生活に支障をきたすような病気を発症するリスクも高くなってしまいます。
もし首の骨自体が変形してしまった場合、どんな治療を受けても元に戻すことは困難です。そのため、スマホ首はできるだけ早めに改善することが重要なのです。
広島メディカル整体院では、首だけでなく骨盤のゆがみや足首の硬さ、身体の使い方などあらゆる点からスマホ首の改善に取り組んでいます。スマホ首が気になっている方は、ぜひ一度、広島メディカル整体院までご相談ください。