外反母趾を発症した場合、痛み止めやステロイドを使用したり、電気治療をおこなったり、テーピングを施したりすることが一般的です。
ただ、痛みが出ている場所だけを見ていると、外反母趾を根本から治療することはできません。外反母趾は姿勢調整と、歩き方によって治療することが重要です。
外反母趾の一般的な原因ってなに?
外反母趾の原因としては、次のようなことがあげられています。
外反母趾は加齢が原因?
外反母趾はどちらかというと女性に多く見られる疾患ですが、男女ともに、50歳を過ぎると悪化しやすいことが分かっています。
その理由の1つとして、運動不足による筋力低下があげられています。特に、土踏まずを構成する筋肉が弱くなることで偏平足気味になると、外反母趾のリスクを高めると考えられています。
外反母趾の原因は遺伝?
骨格は親子で遺伝するものですが、遺伝によって外反母趾を発症するケースも珍しくありません。
特に遺伝的に第一中足骨(足の親指の手前にある骨)が長いと、外反母趾を発症しやすいとされています。
外反母趾の原因はつま先の細い靴だけじゃない
ハイヒールなどつま先の細い靴を好んで履いていると、外反母趾を発症しやすいとされています。男性に比べ女性に外反母趾が多いのも、つま先の細い靴を履く機会が多いからではないかと考えられています。
ただ、靴を履く習慣のない民族にも外反母趾がみられることから、つま先の細い靴だけが外反母趾のリスクを高めるわけではありません。
外反母趾と姿勢の意外な関係
外反母趾は足にみられる整形外科的な疾患であり、通常、医療機関では姿勢に注目するようなことはありません。
もちろん、姿勢が悪くなると必ず外反母趾を発症するわけではありません。ただ、不良姿勢によって、外反母趾にともなう症状を悪化させる可能性があるのです。
外反母趾の症状を悪化させる姿勢の最たるものが猫背です。骨盤が後ろに傾き、顔を前に突き出した状態になると、股関節が外側へと回旋し、体重が足の外側にかかります。
そのような状態を続けることで、足の親指側の筋肉をうまく使えなくなり、足底アーチ(いわゆる土踏まず)が失われていきます。
その結果、外反母趾にともなう症状がひどくなってしまうのです。また、姿勢が悪くなると、歩き方にも悪影響が出てしまいます。
外反母趾と歩き方の関係
人間が歩くときに、最初に地面に接する場所が足の裏ですが、実は、足には足関節(そくかんせつ:いわゆる足首)以外にもいくつかの関節があります。
例えば、足の指の付け根にはリスフラン関節と呼ばれる関節があり、さらにその後方にショパール関節と呼ばれる関節があります。
そして、足首を曲げる前に、リスフラン関節やショパール関節を曲げることによって、足首から上にかかる負荷を低減することができるのです。
リスフラン関節は足の指(基節骨)と楔状骨(けつじょうこつ)、および立方骨から成っており、ショパール関節は距骨(きょこつ)、踵骨(しょうこつ)、立方骨、舟状骨(しゅうじょうこつ)からなっています。
外反母趾を発症すると、親指の付け根(基節骨と中足骨の間)に痛みが生じますが、中足骨につながる楔状骨、および舟状骨が歪むことで、外反母趾のリスクを増すと考えられています。
では、なぜ楔状骨や舟状骨が歪んでしまうのかというと、それは歩き方が良くないからです。骨盤が歪み、足の外側にばかり体重がかかると、足の内側を上手に使うことができなくなり、結果として楔状骨や舟状骨の歪みを生むのです。
広島メディカル整体院での外反母趾の治療法
ここまでの解説で分かるように、足の親指の付け根だけにアプローチしていても、外反母趾を根本から治療することができません。
そこで、広島メディカル整体院では次のような方法で、外反母趾の根本的な治療に取り組んでいます。
姿勢調整で外反母趾を緩和
外反母趾になると歩いたり体重を掛けたりするたびに患部が痛むので、余計に姿勢が悪くなってしまいます。その結果、足だけでなく、膝や股関節、腰に痛みが出ることも珍しくありません。
姿勢調整をおこなうことで骨盤の歪みを取り除き、股関節や足の関節をスムーズに動かせるよう治療していきます。
股関節や足の関節がスムーズに動くようになれば、患部にかかる負担を低減させることが期待できるため、外反母趾と正面から向き合えるようになります。
外反母趾の方への歩き方の指導も行います
外反母趾は足底アーチが消失し、偏平足気味になることで発症リスクを増します。そのため、足裏をしっかりと使える歩き方の指導をおこなっています。
歩くという動作は運動の基本であり、基礎でもあります。正しい歩き方を身につけることで、外反母趾の治療はもちろんのこと、運動時のパフォーマンス向上にもつながります。
外反母趾の方向けのインソールの作成
当院ではプロスポーツ選手のパフォーマンス向上を目的とした「Dynamic Shone Insole System」という独自の施術を提供しています。
インソールを効果的に利用することで、運動時のパフォーマンスを高めることはもちろんのこと、一般の方の外反母趾にともなう症状を軽減することも可能となっています。
外反母趾の方向けの筋膜療法を行います
人間の筋肉や腱、靱帯、神経、血管、骨、臓器などはすべて筋膜と呼ばれる膜で覆われています。外反母趾の方の場合、足底の筋膜やふくらはぎの筋膜などに強い緊張が見られます。
筋膜が硬くなると当然筋肉も硬くなりますし、関節の可動域も制限されることとなります。そこで、広島メディカル整体院では筋膜療法をおこなうことで、硬くなった筋膜を緩め、症状を効率よく治療していくわけです。